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zoom RSS 『河童のクゥと夏休み』・・・原監督待ちくたびれましたよっ!

<<   作成日時 : 2007/08/05 19:08   >>

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待望の原恵一監督作を観てきた。うん、深い!クレしん第10作以来久しぶりに原ワールドを堪能させてもらった。大満足!今年一月に原作者の木暮正夫氏が亡くなったことが何より悔やまれる・・・。

【以下多少ネタバレあり(極力控えますが)】

一見子供向けの夏休みアニメ映画だが、そこにはありきたりの涙や感動だけでなく、人間社会への痛烈な風刺もある意味冷酷に描かれている。だから「クゥちゃんかわいい」といった認識の小さいお子さんを連れての鑑賞は要注意かもしれない。私など冒頭のショッキングなシーンから立ち直るのに少々時間がかかってしまった(^^ゞ

数百年の時を超えて目覚めたクゥと彼を偶然見つけた康一、そして康一の父保雄、母友佳里、妹、飼い犬のオッサンたちのひと夏の物語・・・と括ってしまうと簡単なのだが、この作品はそんな単純なジュブナイル映画ではない。
クゥの存在を隠し通す約束をしたはずの家族なのに、クゥがスクープされテレビ出演が決まったとたん浮かれ出したり、犬の“オッサン”が遭遇してしまうある出来事の現場では、街行く人たちが「とりあえず写真写真」とケータイをオッサンに向けたり、瞳が幼稚園から持ち帰ったカタツムリをクゥが○○ちゃったり、康一の通う学校で陰湿なイジメがあったり・・・。

きれい事だけで構成されたストーリーではないんだな。観る人によっては不快に感じるシーンも多少はあると思う。でも、これこそが原監督の世界なのだ。クゥを保護する上原家の面々にだってそれぞれの私利私欲のようなものがあるのは当然。プログラムで監督も次のように述べている。

はっきりした善悪をつけた映画にしたくはありませんでした。どんな人にもいろんな部分があって、全てを善悪で割り切れるほど人は単純ではありませんから。

それだからこそラストに近づくにつれクゥと家族たちの固い絆が引き立ってくるというもの。
例えば瞳。家庭内でのマスコット的存在だった自分のポジションを奪われる形になった瞳は、何かにつけクゥにいじわるをする。ところが別れの場面では大泣きするのだ。クゥからあるものをもらった瞳はいつの間にかクゥを大好きになっていたんだねえ。
大泣きといえばイジメられっ子の紗代子が康一の前で泣き出すシーンもグッとくる。それまでけっしてイジメに負けなかった強い彼女が、親しくなった康一に見せた“弱さ”。

家庭での瞳、学校での紗代子、そして人間社会でのクゥ。それぞれが直面していた仲間外れという“疎外感”と、そこから解放されゆく様もこの作品のポイントかもしれないな。

もちろんクゥと康一の友情いっぱいの描写もたくさんある。ふたりで旅する遠野や、コンビニ前での別れのシーンなど、時に楽しく、時に切なく。
別れの直前にクゥを連れて紗代子の家を康一が訪ねるのだが、康一と紗代子に向かってのクゥの一言には、不覚にもうるっときてしまった。(涙腺弱い方、ここハンカチ必携ですよ)

東久留米や遠野に何かを見出すと思っていたクゥが最後にたどり着く安住の地には正直びっくり。でも考えてみると生物にとって今の日本に残された最後の楽園は実はこの地方なのかもしれない。
新たに棲むことになる川の前で神様にあいさつをするクゥ。そして“人間との共存はできない”という教えに反し人間の友だちができてしまったことを亡き父に報告するクゥ。
このあたり、けっしてメッセージをお説教にしない原監督らしい演出だと思った。

期待の仕方次第で評価の割れる作品かもしれないが、人間と生き物の単なる友情物語にとどまらないその奥深さは観て損なし!ここ最近観た映画の中では文句なしのダントツ一番である。
ジョニー・デップ様、ブルース・ウィリス様、上戸彩ちゃん、ゴメン!(笑)

そうそう。現在公式サイトのトップ画像でクゥが背負ってるヒマワリ柄の袋。鑑賞前から気になっていたのだが、やはり映画の中でちゃんと出てきた♪
あ、何が入っているかは・・・ヒミツ〜(^。^)

☆『河童のクゥと夏休み』公式サイトはこちらから♪
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「河童のクゥと夏休み」夏は手放し運転の自転車で駆けて行く
「河童のクゥと夏休み」★★★★オススメ 原恵一 監督、脚本 ...続きを見る
soramove
2007/08/08 21:58
映画「河童のクゥと夏休み」〜クゥ、マジすごいよ!
正直言って、はじめはそれほど関心がなかった。 夜、子供を置いて何度も試写会に行けないし、りょうたと一緒に行ける映画を・・・と応募したまでだった。 いや、ところがどっこい、素晴らしい!! カンペキにして秀逸。ある意味、私の中では宮崎アニメを越えた!というくらいスゴイのだ。 心を、ぐわしっっ・・・・とわしづかみにされてしまった・・・・そんなかんじ。 ...続きを見る
ノルウェー暮らし・イン・London
2010/02/22 01:25
河童のクゥと夏休み
レンタルで鑑賞―【story】夏休み前のある日、康一が学校帰りに拾った石を洗っていると、中から河童の子どもが現れた。 第一声から「クゥ」と名づけらた河童と康一は仲良しになる。やがてクゥが仲間の元に帰ると言い出し、康一はクゥを連れて河童伝説の残る遠野へ旅に出る―     監督 : 原恵一 『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』【comment】    物凄くいい映画でした オススメです公開時は、あまり興味がなくて劇場に足を運びませんでした。絵が好みじゃなかったし(汗)まさか、、、こん... ...続きを見る
★YUKAの気ままな有閑日記★
2010/02/22 22:37

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
観たんですね。面白かったようで。
そうか、考えさえせられる部分もあるんですね。冒頭のショッキングな・・・といえば、もののけ姫です。全体としてどんな意味があるかってことだし、私は好きですけど。イヤな人もいるんだろうなぁって思いました。
ちゅう
2007/08/08 19:35
ちゅうさん、こんばんは♪
いや〜よかったです!「ピアノの森」といい今作といい、この夏はアニメ映画がよい!

冒頭のシーンは中盤以降への大事な伏線となるため必要不可欠なんですよ。でも“いきなりそこから来るか!?”とびっくりしちゃった(^^ゞ
SOAR
2007/08/09 19:11
こんばんは〜♪
すごくいい映画でしたね〜
実は全然観たいと思っていなくて(汗)、先日たまたま“TSUTAYA100円レンタルコーナー”で見つけて、ちょっと借りてみたんですよ。そうしたら物凄くいい映画でビックリ!!
クゥちゃんの可愛さにワクワクして、その後の展開には色んな感動を味わわせて頂きました。
だけど、、、オッサンの悲しいシーンだけは、、、どうしても辛い!!犬好きなので、ここは心が引き裂かれるほどですぅ〜
由香
URL
2010/02/22 22:46
由香さん、こんばんは♪
原監督はこういう描写も必要とあらば容赦なく入れてきますよね。冒頭の腕ばっさりやカラスの破裂など、良作だと聞いてお子さんを連れて出掛けた方はヒヤヒヤしたかもしれません。
犬好きさんにはかなりショッキングですが、本作では人間のエゴを様々な角度から描いていますので、動物への非情さもそのひとつだったんでしょうね。
SOAR
2010/02/24 01:01

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