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zoom RSS 『9<ナイン> 〜9番目の奇妙な人形〜』・・・Over The Rainbow

<<   作成日時 : 2010/05/09 01:38   >>

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原案となるアッカー監督自身の短編作品に惚れ込んだティム・バートンがプロデューサーを買って出たことにより生まれたという本作。ゆえに強烈なバートンっぽさがあるのかと思ったらそれほどでもなく、バートン好きの私はむしろそこに本作の魅力を感じた。

その世界観は「ターミネーター」を思わせる終末SFだが、主人公は人間ではなく人類が滅びた後の荒廃した世界で“マシン”と戦う人形たちである。
古びた研究室で目覚めた「9」が「2」と「5」に出会い、他にも仲間がいることやビーストなる恐ろしい機械獣の存在を知る。ネコ型ビーストに連れ去られた「2」の救出に「5」と共に向かった「9」は危機に陥ったところを「7」に助けられるが、研究室から持ち出した装置に不用意に触れてしまい・・・。

9体の人形たちがどれもみな個性豊かですぐに惹き込まれてしまった。CG表現もすばらしく、人形もメカもその質感はまるでストップモーションアニメを見るかのようで、麻布のツギハギ感が実にリアルだった。
アッカー監督が学生時代に作った件の11分版『9』もネットで拝見したが、登場するのが「9」と「5」、そしてネコ型ビーストのみながら個々の造形は既に完成している印象を受けた。本作での冒頭の人形製作シーンなどは過去のバートン作品を思わせるもののバートンが必要以上に手を入れた感じは一切なく、結果としてアッカー監督のオリジナリティがきちんと活かされたようだ。

終盤で「6」が“ソース(根源)”という言葉でみんなに説くのは彼らが生まれた理由でありその背景だ。そこにはある科学者の思いが込められていて、それを知った彼らはようやく仲間としてまとまり、“マシン”との最終決戦に挑む。残念ながら全員が生還とはならないが、そのラストで犠牲となった仲間たちが笑顔で解放されていく様はある意味ハッピーエンドと言ってもいいかもしれない。

夕焼けの中、「3」と「4」が回すレコードから流れるのは「Over The Rainbow」。このシーンもいい。お互いに助け助けられるうちに意識し合うようになった「9」と「7」が寄り添う姿がなんとも微笑ましいのだ。真の決着がつく前の束の間の休息といった雰囲気がよかったな。

CGアニメとはいえ、ピクサーのように明るく楽しい訓話的作品ではない。その作風はあくまでダークであり描かれるのは殺伐とした世界。次々現れるビーストも恐ろしくおぞましい。
しかしそこで懸命に生きようとする不恰好で奇妙な人形たちを見ていると、なぜか心がじんわりと温かくなる。
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タイトル (本文) ブログ名/日時
9<ナイン> 〜9番目の奇妙な人形〜
第78回アカデミー賞短編アニメ部門にノミネートされた作品に惚れこんだティム・バートンがプロデュースし、シェーン・アッカー監督自らが11分の作品を80分の長編作品へと作り変えた。人類滅亡後に残された9体の奇妙な人形たちが人類を滅ぼしたマシーンたちと戦うダークファンタジーだ。イライジャ・ウッド、ジェニファー・コネリー、クリストファー・プラマーといった豪華な声優陣にも注目。 ...続きを見る
LOVE Cinemas 調布
2010/05/09 01:58
9〜9番目の奇妙な人形〜
(原題:9) 【2009年・アメリカ】試写で鑑賞(★★★★☆) ...続きを見る
ともやの映画大好きっ!
2010/05/09 02:46
9 ナイン 9番目の奇妙な人形 /9
特筆すべきはそのビジュアル{/m_0150/} ...続きを見る
我想一個人映画美的女人blog
2010/05/09 08:39
9〜9番目の奇妙な人形〜
進化しすぎた科学。根源。虹のむこうに。 ...続きを見る
悠雅的生活
2010/05/09 09:02
9 〜9番目の奇妙な人形〜/イライジャ・ウッド
そもそもは監督のシェーン・アッカーがUCLAの卒業制作として作った11分の短編アニメで2005年アカデミー賞短編アニメ部門にノミネートされた作品でしたが、それを観たティム・バートンが気に入って豪華キャストを結集してこの80分もの長編アニメーションとして再誕生させたの.... ...続きを見る
カノンな日々
2010/05/09 09:56
映画:9 〜9番目の奇妙な人形〜 ティム・バートンの惚れ込んだ世界とは。。。
最新の映画「ナイン」を先行して観た。 というと、フェリーニの名作「8 1/2」→ミュージカル化「NINE」→その映画化「NINE」が現在公開中なので、そちらをイメージされるかもしれないが、それではない。 ...続きを見る
日々 是 変化ナリ 〜 DAYS OF ...
2010/05/09 14:58
9<ナイン> 9番目の奇妙な人形
背中に数字の“9”が描かれている麻布の人形が目を覚ました。 自分が誰なのか、ここはどこなのか、彼にはわからない。 外には見渡す限りの廃墟が広がっていた。 茫然とする彼の前に背中に“2”と描かれたボロ人形が現れる。 仲間だ。 自分はひとりではない。 ホッとしたのもつかの間、巨大な機械が2人を襲撃してきた…。 SFファンタジー・アニメ。 ...続きを見る
象のロケット
2010/05/09 20:02
9 <ナイン> 〜9番目の奇妙な人形〜
楽しみしていた『9 <ナイン> 〜9番目の奇妙な人形〜』を観てきました。 字幕版で観ることが出来て、イライジャ・ウッドの声が聞けて、本当にうれしいです。 ...続きを見る
Matthewの映画日記?
2010/05/10 17:32
「9<ナイン> 〜9番目の奇妙な人形〜」世紀末ボロ布人形伝説!
 『これまでの人生で見た映像の中で、最高の11分間だった』と、あのティム・バートンに言わしめた短編アニメを、長編アニメ映画化。「9 〜9番目の奇妙な人形〜」(ギャガ GAGA★)。「NINE」とか「第9地区」とか、今年は“9”の当たり年?? ...続きを見る
シネマ親父の“日々是妄言”
2010/05/10 19:15
『9<ナイン>〜9番目の奇妙な人形〜』
人類滅亡後の荒廃した世界に生きる9つの魂。 異素材でつぎはぎされた人形たちのリアルアドベンチャー。 この世界観、たまらない。 ...続きを見る
シネマな時間に考察を。
2010/05/11 22:12
9&amp;lt;ナイン&amp;gt; 〜9番目の奇妙な人形〜
2005年のアカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートされた11分の 同名タイトルを見たティム・バートン監督が気に入り、ティム・バートン 監督のプロデュースで長編作品として映画化。声の出演には『ロード・オブ・ リング』シリーズのイライジャ・ウッドやジェニファ.. ...続きを見る
だらだら無気力ブログ
2010/05/12 01:24
機械仕掛けの終末〜『9 ナイン〜9番目の奇妙な人形〜』
  9 ...続きを見る
真紅のthinkingdays
2010/05/14 13:02
『9〜9番目の奇妙な人形〜』(2009)/アメリカ
原題:9監督:シェーン・アッカー声の出演:イライジャ・ウッド、ジェニファー・コネリー、クリストファー・プラマー鑑賞劇場 : 横浜ブルク13公式サイトはこちら。<Story>... ...続きを見る
NiceOne!!
2010/05/15 09:32
映画「9〈ナイン〉〜9番目の奇妙な人形〜」未来にはやはり人間は滅亡するようだ
「9〈ナイン〉〜9番目の奇妙な人形〜」★★★ イライジャ・ウッド、ジェニファー・コネリー、クリストファー・プラマー 声の出演 シェーン・アッカー 監督、80分 、2010年5月8日公開、2009,アメリカ,ギャガ (原題:Nine) ...続きを見る
soramove
2010/05/16 08:36
★「9<ナイン> 〜9番目の奇妙な人形〜」
久しぶりに「チネチッタ」で観てきました。 タイトルが「9」だけに、9番シアターで上映してるなんて、さすがチネチッタ。 もともと短編映画を作ってたシェーン・アッカー監督を気に入ったティム・バートンが、 製作に加わり長編映画に仕上げたとか・・・ ...続きを見る
★☆ひらりん的映画ブログ☆★
2010/05/17 03:35
『9<ナイン>〜9番目の奇妙な人形〜』
これがティム・バートンが好む世界観なんです。これがダニー・エルフマンの音楽なんです。 第78回アカデミー短編アニメーション賞にノミネートされたわずか11分の同名短編を80分の長編に仕立て上げたこの映画は、『アリス・イン・ワンダーランド』に不満が残るティム・バー.... ...続きを見る
めでぃあみっくす
2010/05/17 20:49
『9&lt;ナイン&gt; 9番目の奇妙な人形 』 世界の終りという恍惚を、麻布の小さな人形たちと共...
『9&lt;ナイン&gt; 9番目の奇妙な人形 』 ...続きを見る
ketchup 36oz. on the...
2010/05/19 01:03
9<ナイン> 〜9番目の奇妙な人形〜
9 (2009年) 監督:シェーン・アッカー 声:イライジャ・ウッド、ジェニファー・コネリー、ジョン・C・ライリー、クリストファー・プラマー 2005年のアカデミー賞で短編アニメ部門にノミネートされた作品を、ティム・バートンやティムール・ベクマンベトフらのプロデュースの下で長編化したCGアニメ。 機械が支配する終末世界で、その原因を作った科学者の人間性が吹き込まれた9体の人形が機械に戦いを挑むというストーリー。 「ターミネーター」を連想させる設定が示すように、とりたてて新味を感じるわけではない... ...続きを見る
Movies 1-800
2010/05/23 01:00
「9<ナイン>9番目の奇妙な人形」(アメリカ 2009年)
背中に『9』と書かれた人形が目を覚ます。 ...続きを見る
三毛猫《sannkeneko》の飼い主の...
2010/05/27 22:29
『9<ナイン> 〜9番目の奇妙な人形〜』は人形ではない
 訂正である。  『9<ナイン> 〜9番目の奇妙な人形〜』は副題に「人形」と書かれているが、9は人形ではない。  その体は麻布を裁縫し&... ...続きを見る
映画のブログ
2010/05/29 02:28
9 <ナイン> 〜9番目の奇妙な人形〜
ティム・バートンが関わってると聞いたので、てっきり『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』並に原案から練りだしてプロデュースしたものだと思い込んで9 <ナイン> 〜9番目の奇妙な人形〜を観てきました。 ★★ ...続きを見る
そーれりぽーと
2010/05/29 15:17
9 <ナイン> 〜9番目の奇妙な人形〜
11分は超えられない ...続きを見る
Memoirs_of_dai
2010/06/01 23:41
「9 〜9番目の奇妙な人形〜」
「9 〜9番目の奇妙な人形〜」、観ました。 ...続きを見る
クマの巣
2010/06/06 11:51
9&lt;ナイン&gt; 〜9番目の奇妙な人形〜
最近、9にまつわる映画が多いですね。( ^ _ ^; この映画は予告編が面白そうだったのと、 声優陣が豪華だったので、 観たいと思いました。 ...続きを見る
映画、言いたい放題!
2010/06/16 03:32
映画:9 <ナイン> 〜9番目の奇妙な人形〜
 ティム・バートン監督のアリス・イン・ワンダーランドが人気ですが、そんなティム・バートンを驚愕させた短編アニメ『9』を長編アニメ化させた9 <ナイン> 〜9番目の奇妙な人形〜を上映終了日に観てきました。 ...続きを見る
よしなしごと
2010/06/26 12:51
9<ナイン>9番目の奇妙な人形
人類が滅亡したあとの、麻布でできた奇妙な人形と機械の戦いを描いている。わては実写なのかと思ったけど、精巧にできたアニメーションだった。まるで実写を見るような映像と、不思議な世界が印象に残った。ハッピーエンドなどあり得ない展開だけど、見た後の余韻は心地よい ...続きを見る
とらちゃんのゴロゴロ日記-Blog.ve...
2010/06/27 13:56
映画「9<ナイン> 9番目の奇妙な人形」
  9 アメリカ 2009 2010年5月公開 劇場鑑賞 6月の初めに、久々の劇場鑑賞で観たのにすっかり感想を書くのを忘れてしまってました。てか、観たことさえうっすらと忘れかけてました・・・。 舞台は人類の滅亡した地球。とある部屋で目を覚ました人形「9」は自分と同じように数字を割り振られた人形たちと出会う。外には機械でできたビーストという怪物が仲間たちを狙っていて、「2」が9の目の前でさらわれてしまい・・・ はたして、彼ら人形たちは何の目的で存在しているのか、地球が滅びた原因とは? という物語。 ...続きを見る
Andre's Review
2010/06/27 23:17
映画「9−ナイン− 9番目の奇妙な人形」
「9−ナイン−」を観た。 ...続きを見る
珍竹麟  〜映画とネットとi-Phone...
2010/07/01 23:24
【9 ―9番目の奇妙な人形― (2009)】
吹きすさぶ風が良く似合う9人の戦鬼(?)が悪と戦うダークファンタジー。 しかし加速装置を使ったり、赤ん坊のエスパーや火を噴く中国人は出てきません。 ...続きを見る
明るいときに見えないものが暗闇では見える...
2010/11/21 17:53
【映画】9 〜9番目の奇妙な人形〜…2010年の観賞映画は2010年のうちに(1)
明日か明後日ごろ、自分へのクリスマスプレゼントが届く予定のピロEKです 届くのはXbox360のソフト「電脳戦機バーチャロン フォース」 すぐに遊ぶ暇があるかどうかは微妙なので、ネットにつなぐ事は検討中です ...続きを見る
ピロEK脱オタ宣言!…ただし長期計画
2011/04/26 14:10

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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
ネット上で観れるという短編、まだ観てないのですが、
短編だからこそ表現し得たものが素晴らしかったのか、
短編では描ききれなかった部分が補完されてよりよくなったのか、
是非近いうちに観てみたいと思います。(今日はこれからお花など持って実家の母の顔を見に行くので)

麻布はじめ、身近で素朴ないろんな素材でできた、シンプルな人形に込められた、さまざまな思い、
それぞれの人間性、築かれてゆく人間関係が、観る人の心に触れるものがあるんですね。
人気の邦画などに押され、あまり注目されてない感じも受ける作品なんですが
大人にこそ観てほしいアニメーション作品だと思いました。
悠雅
URL
2010/05/09 09:08
悠雅さん、こんばんは♪
本作のきっかけとなった短編、これはインパクトありますよ〜。キャラこそ少ないしセリフもありませんがスゴイです。言わんとすることも多少見る側の補完が必要であるにせよ、長編の本作そのままです。
どちらがいいとは言えませんが、よりストレートな短編のほうが好みかなあ。

こうした作品はマニアックなこともあり上映館は少なめですよね。でも味もあるしシンプルなメッセージもちゃんと伝わります。セリフがそのまま説教になってるようなうそくさい名作アニメよりはるかに格は上でしょう。
こうしたアニメを若い監督が作ったことも、とてもうれしく思いますね。
週末に3本観ましたが、うち某邦画はほぼ満席だったのに対し本作は10人くらいでした。もっとたくさんの人に観てもらいたいですね〜。
SOAR
2010/05/09 23:31
この作品、SOARさんの書かれているように、ティム・バートンは裏方にまわり、シェーン・アッカー監督の原作世界の作品になっていたのは、素晴らしかったですよね。
本当に、CGも麻布の質感とか、とてもリアルで、驚きました。
この作品、フルCGなんですよね?あの映像を見ると、ストップモーション・アニメと言われても、わからないですよね。
各キャラクターもおっしゃる通り、それぞれに魅力的でした。
8の一人で隠れて(?)ハイになるシーンとか、笑ってしまいました。
この作品、リピーターになりそうです。
Matthew
URL
2010/05/10 17:48
Matthewさん、こんばんは♪
私も最初にこの作品を知り映像を観た時は、てっきりストップモーションアニメだと思いました。バートンの名もついて回ってたし(汗)
それにしてもこれ、バートン作品と甲乙付けがたい素敵な物語でしたね。

そうそう「8」!最初はただの乱暴者かと思ったんですけどそうでもなく、あの磁石を頭に近づけて恍惚の表情を浮かべてる姿は笑っちゃいました〜。
SOAR
2010/05/12 21:54
SOARさんおひさです。
この映画の世界観、割と好きです。
このあとにブリリアでオリジナルの11分も鑑賞したんですよ。
2つ揃うとすごく深みが増すような気がしました。
rose_chocolat
URL
2010/05/15 09:34
rose_chocolatさん、こんにちは♪
でしょ?私もこの世界観、すっかり気に入りました。
私はオリジナルのほうはyoutubeで済ませてしまいましたけど、これがまたよくできてるんですよね。
おっしゃるように両方を観てこそ感じ取れるものが絶対あるので、同時上映してもいいんじゃないかなって思います。
SOAR
2010/05/16 10:57
私もじんわりと心が温かくなりましたよ。
『アリス・イン・ワンダーランド』がダメダメだったこともあってか、よりこの本来のティム・バートンらしい世界観を楽しむことができました。
やっぱり彼の関わる作品はこうでないと。
にゃむばなな
URL
2010/05/17 20:27
にゃむばななさん、こんばんは♪
監督した「アリス〜」以上にバートンらしさに溢れてたのがちょっと複雑ですが、とにかくバートン好きが納得できる作品だったのは間違いないですよね!
薄暗い場面がほとんどの中、美しい夕暮れのような風景の広がるシーンが印象に残りました。
これ、もう一回観に行きます♪
SOAR
2010/05/19 00:04

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