『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』・・・チームあってのイーサン・ハント

脱獄から始まって核攻撃阻止で終わるという何とも大胆なストーリーがとにかくおもしろい!
回を重ねるごとに目立ってきたイーサンのワンマンぶりや、派手なアクション、凝ったギミックで魅せるというスタイルが本作では適度にリセットされた感ありで、シリーズお約束でもあるこうした要素が控え目になったことが意外にも好印象である。

クレムリン爆破事件に居合わせたことが原因で、IMFだけでなく政府自体の後ろ盾も失い孤立化したイーサンたちが、汚名返上のために核攻撃阻止というミッションを遂行していく姿が泥臭くも小気味いい。当然彼らは“追う者”でありながら同時に“追われる者”でもあるわけで(追ってくるロシア当局の捜査官、『エネミー・ライン』のジャージのおっさんの時と同じくらいシツコイ!)、この状況がまた緊迫感を高めている。ウマイ。
特殊な装置を使っての華麗なスパイ活動もままならず、どんだけ弾持ってんだ?的な長丁場のガンアクションもない。ひたすら走り、飛び降り、しがみつき、奪い奪われ、殴り殴られの体力勝負。
世界一高い建造物として知られるドバイのブルジュ・ハリファを筆頭に、自動立体駐車場、換気通風筒といった高所アクションでの緊張感は一級品で、観ている側も確実に肝を冷やす。トム、あんたやっぱりスゴイよ。

お約束のフェイスマスクをイーサンのチームが一度も使わなかったのも考えてみれば面白いところ。まあ今回は使わないのではなく使えなかったのだが。その代わり、建物通路に張る欺瞞スクリーンや壁面引っ付き手袋、コンタクトレンズ型カメラなど、大掛かりな装置とは一味違うスパイグッズの数々がなかなか楽しめた。

お約束でもうひとつ。それこそ「スパイ大作戦」当時から御馴染みのあのセリフ、「このメッセージは5秒後に自動的に・・・」のアレ、ちょっと面白いシーンがあったね。

チームメンバーそれぞれの過去や複雑な思いも合間合間で丁寧に語られていく。中でもジェレミー・レナー扮するブラント分析官がカーターらに打ち明けるイーサンに対する懺悔の念は、前作『M:i :III』でのミシェル・モナハンを思うとあまりに切ない。どのくらい切ないかというと『エイリアン2』→『3』のマイケル・ビーン並みに切ない(笑)
ただしこの件、ラストで見事にひっくり返ることになる。もちろんいい意味で。言ってみればイーサンに心から同情していた我々観客もまた、イーサンにしてやられたりといったところか。
最後の最後で“ある人”が遠くから投げ掛ける満面の笑み。そこから生まれるのは心地よい余韻。過去作のような黒幕に関するドンデン返しも楽しいが、同じサプライズ狙いであるなら本作のような終わり方が私は好みだな。

イーサンのまさかの告白により彼とのわだかまりが解けたブラントは、次のミッションでは一層強力なメンバーとなるに違いない。今回は最後にちらり登場のみだったおなじみ黒人エージェントもイーサンのチームには欠かせない存在。マギーQの活躍だってやっぱり見たい。両者とも次回作にはぜひ。もちろんカーターもベンジーもイーサンの誘いをたしかに受けたよね。一匹狼然とした孤高のエスピオナージもいいが、やはりチームあってのイーサン・ハント。残念なのはそのチームに前作で殉職したケリー・ラッセルのリンジー参加が未来永劫叶わないこと・・・(←だからフェリシティ好きなんだってば

ブラッド・バード監督の置き土産は無人機編隊ハイジャック絡みのミッションだ。
はたして次回作でこのミッションが描かれるのか、だとしたら今度はどなたが監督を受けるのか、いや~楽しみ楽しみ♪




この記事へのコメント

2011年12月18日 17:44
面白かったですよね♪
個人的にはシリーズ最高かもしれません。
1も捨て難いのですが…。

イーサンの単独プレーではなく、チームでミッションをこなしていく展開が良かったと思います。
アクションはあのブルジュ・ハリファでのシーンは圧巻の一言。
ラストも良い感じで締めくくってくれました。

早く第5弾が観たくなります。
SOAR
2011年12月19日 00:01
BROOKさん、こんばんは♪
『1』の雰囲気もまた味があっていいんですよね~。『2』や『3』の派手さとは違った良さが確かにありますよね。

そして本作。観終えて間もないせいもあるかもしれませんが、私もシリーズ最高だと感じてます。
それぞれが得意分野を駆使してのチームプレーはやはり見ていて気持ちがいいですよね。イーサンは単独でも絵になるキャラだし、それを否定するわけではありませんが・・・。

ブルジュ・ハリファ、高いところが平気な私もこれは論外!
見ているだけで足がすくみましたよ。トムさんすごいです。
2011年12月19日 15:04
こんにちは。

いやはや、もうスッゴク良かった!
楽しめました!
「自動的に…」「バコン!」と一発に笑えた!
これから見せられる(であろう)一連のオープニングロールやチームプレイ、テレビシリーズに戻ったようでした。
裏切り者不在が、逆に清々しかったな(笑)
仰る通り、本当に嫁を上手く伏線にしましたよねぇ~「ええぇーー?そうなの?!」と驚きの三拍子でした(爆)
2011年12月19日 20:23
冷静に考えてみたら、イーサン・ハントのワンマンぶりがなくなったように見えて、実は最後にイーサンだけが極秘情報を知っていたと見せることで、イーサンはやはり他のエージェントより凄いと見せ付けていたのかお知れませんね。
それもまた狙っていた演出なのかな~。
2011年12月20日 10:45
トラックバック返しありがとうございます。
まだまだお正月映画で公開を控えた作品はありますが、とても満足度が高い作品でした。
予告やテレビ番組なんかではトム・クルーズがプッシュされていましたが、映画ではチームにスポットがあたっていることで面白くなっていると思いました。

2011年12月20日 13:37
面白かったですね~♪。
クレムリンの爆発は、テロじゃなくてガス管の暴発。
核爆弾の落下は、ただの浮遊物の落下。
と、二大大国のバレバレなのに言いきっちゃう♪な説明にもクスッでした。

ロシアの捜査官、ベテラン刑事の余裕と遊び心を持っているのに、こわ~!は、さすがお国柄!でした。
ラスト、銭形のおっちゃんのようにに見えたのは私だけでしょうか?。

私も、すっかりイーサンにはめられました(^^)。
でも、幸せそうでよかったです~。
SOAR
2011年12月25日 14:57
オリーブリーさん、こんにちは♪
自動で壊れなかったら自分で壊すイーサン。やっぱり壊れなきゃいけないんでしょうね(笑)
リアルタイムでの記憶はありませんが、「スパイ大作戦」の古きよきテイストが戻ったような感覚と、映画シリーズ「MI」のノリとの共存が気持ちよかったです。
前作登場のジュリアの存在、ホント巧く活かしてました。よく見かける“これまでのシリーズを観てなくても楽しめる”というレビューは間違いではありませんが、前作を観てるからこそ「おお~」って思える見事な伏線でしたよね!
SOAR
2011年12月25日 14:58
にゃむばななさん、こんにちは♪
そうですそうです、そうなんですよ。別にイーサンが他のエージェントと同格になったってわけではないんですよね。やっぱり彼は現場でのリーダーであり、だからこそのワンマンぶりは組織としてもなくてはならないし、もちろん映画的にもそのほうがおもしろいんですね。
SOAR
2011年12月25日 14:58
やっちゅさん、こんにちは♪
主演のトムあってのシリーズではありますが、脇を固めるエージェントたちが単なるおまけではなく、彼らそれぞれの存在感が感じられる作りが好印象でしたね。
SOAR
2011年12月25日 14:58
みぃみさん、こんにちは♪
クレムリンの爆発についてはいかにもロシアだなって感じでしたけど、結果不発とはいえ大きなミサイルが落下したわけですからアメリカ政府の発表はらしくないなあって思ったりもしました。
そもそもあのお国が誇る防空システムが機能しなかったことは大問題だ~(笑)

クレムリンでの容疑をかけられたことで追われる身になったイーサンたち。敵を追いながら自分たちも逃げねばならないというシチュエーションは気に入りました。あー、とっつあんね、なるほど~。

ジュリアの笑顔が心地よい後味を残してくれたと思います。
2011年12月25日 22:26
しゅごいことになっていました~
口を開けてみたましたよ^^
ロシア捜査官はジェラード警部のような銭形のとっつぁんのような、最後にはこうね、いい感じでよい味でてましたです

スパイグッズ、わくわくしますね
ほしい…スパイでもないのに

初めてIMAXで鑑賞したんですが、
ものすごい迫力の相乗効果でした
SOAR
2011年12月29日 14:13
おくやぷさん、こんにちは♪
しゅごかったでしょ~!
逃げても逃げても追ってくる様は、まさにジェラード警部か銭型警部でしたね。そうそう、イーサンとの最後のやりとりがいいよね、これまた。

IMAX、近くにまたひとつ導入館がオープンしましたので、いい加減もう初体験してこようと思ってます。

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