『エンジェル ウォーズ』・・・二重の空想世界

家庭内の事情により精神医療施設に送られてきた少女ベイビードールが現実逃避のために作り出す空想世界。そこで“ダンサー”として働かされる少女たちの脱走計画が、さらなる空想世界の中で描かれていく。
5つのアイテムを追いながら、この二重三重の異次元ワールドを行き来する彼女たちが戦いの末にたどり着くのは・・・。

いやあ、予想を上回る面白さだった。

凝ってるわりにわかりやすい世界観は、『シャッター アイランド』『インセプション』を思わせるもので、知らず知らずのうちに引き込まれてしまった。セーラーにミニスカ&ニーソックス(絶対領域!)という出で立ちの主人公がセクシーなコスチュームの仲間たちと繰り広げる怒涛のバトルアクションは、映像表現自体の素晴らしさもあってかなりの見応えである。

個性豊かな5人の少女たちもとにかく魅力的だ。
まずはブロンディ役のヴァネッサ・ハジェンズ。『ハイスクール・ミュージカル』の彼女とB-25爆撃機の後部銃座というどう考えてもあり得なそうな組み合わせもまったく違和感なし。彼女アクションもなかなかイケるのね。まあ本作では他の女の子たちほど目立ってないのが残念ではあるし、そもそもどっちのヴァネッサが好きかと訊かれれば私は断然『HSM』のガブなんだけど。
で、このB-25の操縦桿を握るアンバーがまたカッコイイ。空想世界(の空想世界)での彼女はパイロット担当になっていて、B-25だけでなく日本のアニメに登場しそうなロボットからUH-1ヘリコプターまで、見事な腕前で各メカを操り戦闘を支えている。
この2人はメンバー中では脇役扱いなのだが、個人的にはメインの3人よりも気になる存在だっただけに“あのシーン”はショック・・・。


5つ目のアイテムが何なのかベイビードールが確信したところから物語は意外な展開をみせる。

「主人公は私じゃない!」

そして無機質な現実世界。正直このオチの言わんとするところはハッキリしないのだが、納得のいかぬまま施設送りになり今まさにロボトミー手術を施されようとしている少女がその刹那構築した空想世界とそこでの自由への戦いは、彼女にとっての最後の抵抗だったのかもしれない。

まずはその圧倒的な映像を存分に堪能し、そのあとで解釈についてあれこれと思いをめぐらせる。そんな風に楽しみたい作品である。


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