『スカイライン -征服-』・・・宇宙人襲来と密室劇の組み合わせ

大都会に何の前触れもなく宇宙人が現れ攻撃を開始するという王道のエイリアン襲来パニック作品である。しかも低予算。となると内容云々の前にまず思い浮かぶのが『第9地区』。昨年のマイベスト第2位の傑作だが、内容で比較すると残念ながら本作に勝ち目はないか。

それでも映像は圧巻の連続であり、やはりあちらの映画界が持つパワーには唸るばかり。観る人によってイメージする過去作品は様々と思われる本作。ちなみに私が思い浮かべたのは『宇宙戦争』だが、映像だけ見れば6年の差という優位性を考慮してなおあの大作と互角かそれ以上の出来映えだと感じた。

話も悪くはないのだ。これまた低予算の産物だろう、大都市が襲われてるにもかかわらず登場する市民は10名足らず。橋や船に大衆が殺到してパニックに・・・などというありがちなシーンはないのである。
襲われる街全体をグローバルに描き出すことはせず、とある高級マンション内に孤立した人々だけにスポットを当てたことで、エイリアン襲来という仰々しい題材ながら密室ならではのトゲトゲした人間関係もある程度のボリュームでしっかり見せる。王道&低予算ならではのアイデアがうまく活かされた形である。


お約束の米軍描写もある意味非常に興味深い。空軍の主力攻撃部隊がUAV(無人機)のみで編成されているのだ。
ハリウッド映画ではすっかり御馴染みのMQ9リーパー(ただし本作のリーパーはジェットなので架空機である)や無尾翼タイプのUAVが多数飛来。その後増強部隊としてF22ラプターに似た戦闘機も参戦する。この“なんちゃってラプター”にパイロットが乗っているのか確認できなかったが、こういったシーンにありがちなコックピット視点の映像が全くなかったのでたぶん無人機設定なのだろう。

これら架空のUAVに対しリアルな航空機として登場するのがMH60ペイヴホーク。携行対戦車ミサイル装備の地上部隊を高層ビル群の屋上に展開させるために飛来。うち主人公たちを助けようとする一機が触手に捕まり墜落に至るまでのシーンは迫力あり。ブレード飛散後、回転しながら飛んでくるローターヘッドには肝を冷やした。こういうのを3Dでやればいいのに(笑)

・・・と、軍オタなりに書いてみたものの、実際のところ本作では軍による攻撃の様子は同類の作品ほどには描かれない。一発のミサイルが敵母船に命中し一時的に行動を抑えるという描写もあるにはある。しかしそれ以外にはさしたる活躍もなく、かと言って大負けしている風でもなく・・・。
これ、私個人としては非常に物足りないわけだが(笑)、このことで本作の臨場感がさらに増しているのかもしれない。逃げ惑う市民にとって軍隊の攻防に一喜一憂する余裕なんて実際にはないだろうから。

軍隊がやってきたことはわかるけど、やっぱり我々は逃げなければならないし隠れなければならない。あるいは我々なりの反撃を試みなければならない。

軍の戦闘シーンが控えめだったことで、そうした市民目線での臨場感や緊迫感、もしくは絶望感がくっきりと浮かび上がったように思えた。(もっともそこに作り手の意図があるのか単に予算の問題なのかはワカラン)


となると残念なのはラストかなあ。
続編も思わせるこのオチ、人によって感じ方に差はあるだろうが私は正直どん引きである。仮にこのオチからの続編があったとしても、もはや作品としては別物になること間違いなし。しかもかなりチープなストーリーになること請け合いだ。
人類捕獲の目的がその脳と脊髄にあったというところまではそれなりに食いついていたのに・・・。


こういうジャンルのそれもB級作品に魅力を感じてしまう方、そして最新のVFXを堪能したい方には文句なしのオススメ映画である・・・と締めておこう。
(いや私もオチ以外は嫌いじゃないんですよコレ)


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