『サンクタム』・・・ジェームズ・キャメロンは何をしたかったのか?

サンクタムとは聖なる場所、聖域のことである。

ジャングルの奥地でぽっかりと口をあける世界最大級の洞窟、その深部にある水路が海へつながっていることを証明しようとする探検家チームに自然の驚異が襲い掛かるというリアル系サバイバル作品。嵐により地上班との連絡が途絶え、洞窟入り口へのルートは流れ込む水により遮られてしまった彼らは、生還のために皮肉にも海への脱出ルートを探すことになるのだが・・・。

うーん、正直期待したほどの作品ではなかったかな。製作総指揮のジェームズ・キャメロンが知人の体験を元に作ったとの事で、なるほどSFや謎解き要素はなくストレートな冒険ストーリーである。


で、えーと・・・。

えーとね・・・・・・・・

ううう、あまりにフツーで書くことがない・・・(笑)



脱出行の過程で見失ったアイテムや人物(遺体や重傷者含む)と再会するシチュエーションが何度か登場する。これをご都合主義と言ってしまうと身も蓋もないわけで(笑)、本作が実話ベースであれこうした創作部分は話を盛り上げるために必要不可欠な要素だと割り切りたいところ。が、どうもこれらがベタ、あるいは中途半端な扱いになってしまっていて残念なのだ。
例えば万事休すな父子の前に亡きジュードのリブリーザーが流れ着く場面。ここでフランクが「ジュード、ありがとう」とつぶやくのだが、その後にドラマチックな展開が・・・ない!
序盤のジュードの事故死のシーンはかなりインパクトがあった。で、その時に取ったフランクの行動が今ひとつわかりにくい(とっさに助けようとしたものの、けっきょく自分の生還を選んでしまったってこと?)だけに、彼女の装具と再会したフランクに何か語って欲しかったのだが・・・。

再会と言えば、地上に戻ることになったジョシュたちが増水による激流に阻まれベースキャンプまで戻されてしまった際に、リズとJDって流されずに地上へ進みかけてたと思うのだがどうなったんだっけ? 
てっきりあの二人との再会が後々あるものだと思って観ていたんだけどなあ。何にもないし。

そもそもこのケイビングチームのメンバー構成がよくわからないうちに話が進んでいってしまう感じ。ジョシュ、カール、ビクトリアの3人は現地に向かう様子から描かれるのでいいのだが、既に洞窟内で活動しているメンバーたちのキャラ説明が全くないまま、どんどん死んだり流されたりして消えていくのはどうよ。
フランクとジョシュの屈折確執親子、カールとビクトリアの金持ち非常識バカップル、そしてジョージと、早いとここの主要5人に絞って話を進めようってことなんだろうね。


水中で狭いところに挟まったり、タンクのホースが破損したり、ライトのバッテリーが尽きたりと、いずれもお約束ではあるがハラハラ度はなかなか高いと思う。洞窟調査という特殊性ゆえダイビングとロッククライミングが交互に描かれるのも面白い。また本作ではぶつかったり絡まったり刺さったりと痛グロな描写も多いので、適度な刺激もありだ。

一方で、タイトルから連想される神聖さや荘厳さが期待したほどのレベルでなかった分、親子関係や仲間割れといったドラマ部分ばかりがやけにチープな印象として残ってしまった気もする。
どんでん返し的な展開も皆無で、最後にジョシュが使うアイテムも含めこれだけ先が読めてしまう作品も珍しい。


キャメロン監督、こんなところで寄り道してないで早いとこご自身がメガホンとってくださいな。



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