『世界侵略:ロサンゼルス決戦』・・・“退却NO!”これぞマリン・コ魂

流星群と思われた落下物から“何か”が現れ突如人々を襲い始める中、民間人救出に向かった海兵隊一個小隊。特別な装備を持っているわけでもないこの部隊が、エイリアンに遭遇し民間人を守りながらの戦闘に巻き込まれていく様子を描く本作。
戦闘時にブレまくる映像は実際の戦場におけるドキュメンタリーのようでもあり、最近流行のエイリアンVS人類映画にあってかなりの見応えを感じた。

例えばホワイトハウスやペンタゴンでの緊急会議、大統領の緊急演説、そして学者先生のうんちくシーンといったありがちな描写はほとんど出てこない。最初から最後まで文字通りの死闘が続く。まさに現場目線のみで見せる戦争映画なのである。
刻々と変わる戦況に応じた作戦立案、あるいは瀕死のエイリアンを捕獲し自分たちで弱点を突き止めようとするなど、外部からの指示に頼ることなく任務を進めていこうとする様子が非常に印象的だった。

エリート少尉と叩き上げ軍曹の微妙な立場関係もあれば、軍曹の過去の戦歴に対してわだかまりを持つ伍長の存在もある。隊に漂うそうした雰囲気が徐々に晴れていく様子も自然に描かれる。少尉が最期に見せる勇敢さや身重の妻を思いやる人間味。伍長と軍曹の確執がすーっと消えていく瞬間。
そして敵の司令部攻撃のためヘリから単身リペリング降下するナンツ2等軍曹を追うように、生き残りメンバーが次々と降下してくるシーンなどベタだとは思いながらもやっぱりジーンと来てしまった。

彼らの携行ライフルはM4A1カービンで、何人かはアンダーバレル式のグレネードランチャーを装着しているものの、それ以上の重火器となるとロケットランチャーが小隊に一門だけだ。これで戦力未知数の敵に立ち向かわねばならないのだから、序盤の混乱振りも当然かもしれない。
それでも彼らは手榴弾にプラスチック爆弾、乗り捨てられたハンビー車載のM2重機関銃やLAV-25装輪装甲車のチェーンガン等々うまく利用しながら果敢に反撃を試みる。やがて民間人獣医や軍医らが捕獲したエイリアンから彼らの弱点を突き止め徐々に形勢逆転。最後は捨て身のレーザー照射で友軍の地対地ミサイルを誘導し敵司令部を破壊、奪われていた制空権奪回に至る。
(よく映画に登場するミサイルは大抵“撃ちっぱなし”だが、実際にはこうして命中するまでレーザーや電波等のビーム照射、または目視照準継続を必要とするタイプが多いのだ)

失礼ながら血の気ばかり多そうなのが海兵隊員と思っていたが、マルチネス少尉が率い、後にナンツ2等軍曹が引き継ぐことになるこの2-5小隊の面々、熱いだけでなく知恵と勇気と優しさも兼ね備えるイカしたチームだったねぇ。


そんな彼らを最初に作戦地域に運んだのはCH-46E輸送ヘリ。映画に登場するタンデムローターヘリの定番はCH-47なので、本作でスクリーンに映るのがヨンナナではなくヨンロク(しかも大編隊!)なのが実に新鮮だった。
私は関東在住だが、3月の大震災のときに普天間のCH-46が“トモダチ作戦”参加のため厚木に多数展開したようで、短期間ではあったが我が家の近くをCH-46の編隊がよく飛んでいたのを思い出す。きっと援助物資を満載してたんだろうなあ。

世界最強を自負する精鋭アメリカ海兵隊。有事には真っ先に前線に投入される彼らは屈強にして頼もしい集団だ。敵司令部破壊に成功し基地に帰還したナンツたちは誰からともなくマガジンに5.56ミリ弾を詰め直すと、唖然とする上官を尻目に休むまもなく再び戦場に赴く。

これぞアメリカ海兵隊。これぞマリン・コ魂。

あのミシェル・ロドリゲス演じる空軍兵士も、これまでの戦闘を経て見た目はすっかり海兵隊の一員だ。もっとも姉さんにはエアフォースよりマリン・コの方が似合うに決まってるのだが♪


ロス上空でUH-1Nに搭乗した各小隊が続々とランデブーして来るその脇を、F/A-18ホーネット(海軍の最新型スーパーホーネットではなく、海兵隊のいわゆるレガシーホーネット)が「お先にっ!」とばかりに飛び抜けていくラストシーンも私はすっかり気に入ってしまった。


ひたすら現場目線という構成が必ずしもいいとは言わない。
現に6月公開の『スカイライン-征服-』など典型的なアイデア負けで、VFX以外に見所はなかったわけで・・・。
しかし本作についてならば、そのスタイルが見応えや映画としての面白さに直結したと言っても過言ではなかろう。しかもリアルな戦争映画でありながらナンツ以下精鋭兵士たちの銃口の先にいるのは地球侵略を目論むエイリアンだ。これなら派手なドンパチもある意味爽快である。


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