『一枚のめぐり逢い』・・・戦場で見つけた写真に導かれて

イラク戦争に派遣された海兵隊の青年が戦場で一枚の写真を拾ったことで奇跡的に生還し、帰国後写真に写る女性を訪ねていくというベストセラーの映画化。ラブストーリーとして悪くはなかったが、正直期待したほどの作品ではなかった。

きっかけはいい。ザック・エフロン演じるローガンが戦場のがれきの中に落ちている何かを見つけ近づいていく。拾ってみるとそれは女性の写真で、裏には無事を祈るメッセージがあった。同じ地区で作戦中の海兵隊員の落し物だろうととりあえずポケットにしまおうとした時、直前まで彼がいた場所に迫撃砲弾が着弾し犠牲者が出る。
写真を拾おうと移動したために助かったローガンが、写真に写る女性を幸運の女神と感じるようになるのは自然の流れだし、帰国後彼女を探し出し会いに行こうと思うのもまた自然の流れである。落とし主が見つからなかったこともあっていつの間にか自分のお守りとなってしまったことも、兵士の心理を考えれば当然のことだろう。

と、ここまでは今後の展開を期待しながら見入っていたのだが、帰国してからのご都合主義の連続がさすがに気になってしまった。
いとも簡単に写真の女性ベスが見つかることについては、写真の背景にヒントがあったという説明がなされるので良しとしよう。問題はベスに対面したローガンが訪ねてきた理由をいつまでも言いそびれてしまうことだ。これはありえないでしょう。自分の守り神となってくれたことのお礼と、写真の持ち主を探せなかったことの報告。彼の目的はこのふたつであり、これを伝えないのは非常に不自然に感じた。二人が徐々に惹かれあっていくことと、写真について言い出せないことは全くの無関係だと思うんだけどなあ。

ベスの兄がイラクで戦死していることを知ったローガンがそれでも写真のことに触れないのは、もう不自然通り越して違和感である。
いや、作者の意図はわかるのだ。味方の誤射によって亡くなっている可能性がベスの兄にはあり、写真を隠し続けていることであらぬ疑惑がローガンにかかってしまうという一波乱が起きるのだから。

二人の恋を邪魔する役どころのベスの前夫がまたよくわからない人だった。キャラがブレ過ぎである。最後はなんだかすごくいい人になってしまった。まあイヤな男ではあったが、息子を思う気持ちは本物だったということか。


冒頭のイラクでの戦闘シーンが意外な伏線になっていることもあり、終盤はそれなりに盛り上がる。また、ベスの地味めな魅力が個人的にけっこうストライクだったので、なんだかんだ言って後味はよかった。
好青年とシングルマザーのラブストーリーという王道パターンにしてハッピーエンドなので、この手の作品が好きな方なら観て損はないかと。


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