テーマ:映画

『ジュリエットからの手紙』・・・二通の手紙と邦題のセンス

特に凝った展開もなく、予想通りに落ち着くロードムービースタイルのロマコメ。では物足りなかったかというとそんなことはない。50年前のある手紙がきっかけで始まるふたつの恋物語が実に爽やか。 「ジュリエットの家」に「ジュリエットの秘書」。その存在を私は初めて知った。ご存知シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」。そのジュリエット宛てに世…
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是枝裕和監督が撮ったAKB48

折りに触れ書いているように、私は是枝裕和監督の大ファンである。2008年の『歩いても歩いても』、2009年の『空気人形』と珠玉の名作を2年連続で観ることができただけに、公開作品のなかった昨年は少々寂しい思いで映画館に通っていたのも事実。そんなわけで来月公開の『奇跡』が待ち遠しくて待ち遠しくて・・・。 もっともファンの方ならご存知の…
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『アンノウン』・・・これぞ伏線回収の心地よさ

学会に参加するために妻同伴でドイツを訪れた学者マーティンが交通事故に遭い、病院で目覚めると事故前後の記憶を失っていた。断片的に蘇るかすかな記憶を頼りに妻のいるホテルに行くと、そこにはマーティンを名乗り妻に寄り添う見知らぬ男がいて・・・。 序盤で提示されるこの展開は確実に興味を誘う。空港に到着しタクシーでホテルへ向かう仲むつまじい夫…
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『岳 -ガク-』・・・よく頑張った、また山においでよ!

北アルプスの山岳救助ボランティア島崎三歩。遭難者に対する彼の温かい接し方が何よりもまず印象に残った。 不十分な装備や軽率な判断が原因による遭難の場合、助けに来た救助隊員に思いっきり叱りつけられる方がドラマとしては間違いなく絵になるし、それが定番だろう。ところが三歩は違うのだ。彼は怒らない。生存者だけでなく死者に対しても頑張ったこと…
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『メアリー&マックス』・・・手紙だからこそ伝わるもの

パソコンやケータイが当たり前になる前、大抵の雑誌には文通コーナーがあったものだ。郵便という手段を使って手から手へ物理的なやりとりを行う“手紙”は、相手の元に残り続けるのが魅力のひとつ。そしてインターネットを介した交流では味わえない温もりや、時には感情すらもいっしょに伝えてくれる。大きな文字、優しい文字、筆跡のかすかな乱れ、涙でにじんだイ…
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『阪急電車 片道15分の奇跡』・・・人生の機微に触れるとき

有川浩の原作がとにかく好きで好きでそれはもう大好きで、これまでに何度読み返したことか。 宮部にしろ伊坂にしろこれほど繰り返し読んだ本は他にない。それだけに原作での主要人物のうち一組のカップルが登場しないと知った時は愕然としたものだが、いざ観終えてみるとこのカップルが抜けたことで起こる矛盾をきちんとフォローしたうえで、原作の“味”を少し…
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『名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)』・・・どうしたコナン

劇場版コナンの第15弾。ここ数年ハズレのないこのシリーズに今年も期待していたのだが、残念ながら今回のコナンは私にはイマイチな出来映えであった。 あいかわらず超人的な行動を見せるコナンには圧倒されるし、それを楽しみにしているファンの方なら序盤のスケボーと終盤のスノボのシーンだけでもお腹いっぱいとなるのだろう。実際この両シーンは本作中…
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『ガリバー旅行記』・・・JBならではのオバカっぷりと満載の小ネタを楽しもう

よもや知らない人はいないであろうスウィフトのガリバー旅行記の映画化。原作でおなじみの各エピソードはきちんと残しながらも、ジャック・ブラックならではの程よいオバカ要素が実に小気味よく軽快で、まさにあっという間の85分。 パロディも満載。映画やドラマは元より、ニューヨークの街並みやそこにある看板までネタとして登場する。セリフの中にもお…
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『エンジェル ウォーズ』・・・二重の空想世界

家庭内の事情により精神医療施設に送られてきた少女ベイビードールが現実逃避のために作り出す空想世界。そこで“ダンサー”として働かされる少女たちの脱走計画が、さらなる空想世界の中で描かれていく。 5つのアイテムを追いながら、この二重三重の異次元ワールドを行き来する彼女たちが戦いの末にたどり着くのは・・・。 いやあ、予想を上回る面白さ…
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『塔の上のラプンツェル』・・・魔法の髪、元気印のプリンセス

ディズニーのプリンセス・ストーリーをこれまでじっくり観たことがないので断定はできないが、ここまで躍動的で表情豊かなお姫様はこのラプンツェルがおそらく初めてなのではないだろうか。 好奇心と勇気と優しさをしっかりと兼ね備えた明るく生き生きとしたヒロイン像は、まるでジブリが創り出す朗らかな女の子たちのようだ。 ストーリーはプリンセス・…
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『トゥルー・グリット』・・・瞬く数多の遠い世界よ

まず観ることのないジャンルというものが私にもあって、そのひとつが西部劇。本作もジョン・ウェイン主演の傑作西部劇のリメイクとのことだったので、当初は鑑賞予定がまったくなかった。 ところが先の83回アカデミー賞において10部門ノミネートながら無冠に終わったことがむしろ興味の対象となり、ちょうど営業再開となったTOHOシネマズ某にて鑑賞して…
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『ツーリスト』・・・夢の共演に期待し過ぎは禁物

パリ警察から監視される謎の美女エリーズ。彼女に利用されるアメリカ人旅行客の数学教師フランク。スコットランドヤードとギャング一味に追われる男アレクサンダー・ピアース。互いが騙し騙される中で3人の正体がじわじわと明かされていき、最後にはドンデン返しも待っているというサスペンス。 ・・・と書くと、「手に汗握る謎解きサスペンスアクション&…
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『英国王のスピーチ』・・・かくして優しき善良王は誕生した

幼少期のトラウマによる吃音コンプレックスと内気な性格。時のヨーク公バーティ(コリン・ファース)が、一人の友と妻の愛とに支えられながらこの苦しみを克服し、ジョージ6世として国王の座に着くまでを描く物語である。 鑑賞にあたりいろいろ調べてみたのだが、ジョージ6世の言語障害と妻エリザベスの内助の功、そしてエリザベスが見つけ出した治療の専…
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『恋とニュースのつくり方』・・・そしてフワフワのフリッタータのつくり方

テレビ局のプロデューサーを演じるレイチェル・マクアダムスがとにかくキラキラと輝いている。『きみに読む物語』や『きみがぼくを見つけた日』、あるいは『シャーロック・ホームズ』での彼女も魅力的だったが、本作のベッキーのような明るくはじけた役どころこそ、彼女がその本領を発揮するのに最適のキャラクターなのかもしれない。 仕事に長年貢献してき…
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『ヒア アフター』・・・イーストウッドの新境地もやはり温かい

旅先で津波にのまれ、奇跡的に生還したフランスの女性ジャーナリストを苦しめる臨死体験。 ロンドンで薬物中毒に苦しむ母と暮らす双子の兄弟が遭遇する悲劇と、残された弟の切ない想い。 死者と対話できる能力を持ってしまったことで、辛く孤独な人生を送っているサンフランシスコ在住の男の苦悩。 前半はこの3つのエピソードが並行して描かれてゆく…
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『幸せの始まりは』・・・コメディ要素控えめの平凡なラブストーリー

ラブコメとは何か。 仕事や恋や人生に挫折した男女が偶然出会い恋に落ちていくドタバタ劇、男女双方の側に恋敵のプレイボーイやコミックリリーフ的なキャラなども登場しつつ最後はハッピーエンド・・・というのがラブコメのひとつの定義だろう。 本作でもヒロインのリサ(リース・ウィザースプーン)だけを追ってみるとこの基本パターンに納まっている。…
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『太平洋の奇跡 -フォックスと呼ばれた男-』・・・これでは心に響かない

けっきょく何を描きたかったのか、そもそも何が奇跡なのか、伝わる物があまりに弱くて残念。期待が大き過ぎたか・・・。 登場人物たちそれぞれの身の上や互いの係わり合いなど、見せ方を工夫すればもっと深みのあるいい話になりそうなのだが、なんでこうも盛り上がらないのだろう。竹野内豊演じる主人公大場大尉の周りに集まる人物たちは皆魅力的なのに、そ…
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『ザ・タウン』・・・きょうは晴れた日だから

クライムアクションとしての見応え、そしてこの手のジャンルらしからぬ温かな余韻を残すラスト。どちらも私の好みにピタリとはまった。 銀行や現金輸送車を襲った犯人たちが繰り広げるド派手な銃撃戦やらカーチェイスをこれでもかと見せておいて、最後は観客の想像に委ねる部分も残しつつ“ちょっとイイ話”的に締めくくる。時にはこんなクライム作品もいいもの…
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『RED/レッド』・・・「オマケにあなたの髪まで薄い!」

って言われちゃったなあ、ブルース・ウィリス(笑) 映画を面白くさせるお約束的要素がふんだんにバランスよく盛り込まれているので予想以上に楽しめた。 ガンアクション、カーアクション、ロマンス、ユーモア、旧友再会、政治と軍需企業の癒着、副大統領の陰謀、CIA、MI6、ロシアスパイ(KGB?)、新旧エージェントの対決、巻き込まれヒロイン…
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『グリーン・ホーネット』・・・ブルー・ウォンバットでもなんでもいいんだけど

元々観る予定になかった本作。キャメロン出演にもその気持ちが揺らぐことはなかったのだが、最近になって敵役があのクリストフ・ヴァルツだと知ってあっさり心変わり。こりゃあ観とかないと損するかも、ということで足を運んだ。 ・・・が、残念ながら私には少々退屈な作品だった。もしかするとオリジナルを知っている世代ならではの面白さもあったのか。う…
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『ソーシャル・ネットワーク』・・・きっかけは“右か左か”

世界最大のSNS、“フェイスブック”の創設者マーク・ザッカーバーグ。ハーバード大の天才だった彼が“フェイスブック”を立ち上げたきっかけからその成功と挫折の波乱に満ちた顛末を、その後の調停の場に集まった三者(四者?)の証言で見せていく人間ドラマ。 彼女と会話のかみ合わないオタク系天才のマークは彼女に振られたその晩、ハーバードのコンピ…
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『アンストッパブル』・・・今年の1本目!こいつはおもしろいゾ

制御不能に陥った乗り物を主人公たちが必死で止めようとするノンストップアクションの典型でありながら、壊れかけた父娘や夫婦の再生ドラマをしつこくならないぎりぎりのさじ加減で盛り込んでいるので、マンネリ感が全く感じられなかった。わずか100分足らずにして迫力の映像と心地よい感動。今年の映画鑑賞1本目は後味の良い作品となった。いや~幸先いいねぃ…
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2010年の映画を振り返って

今年一年間の劇場鑑賞は54回。そのうちリピート鑑賞を除く作品総数は52本だった。秋の公開作品に興味のわく作品が少なかったのと、年末にかけて映画を観に行く時間的精神的余裕がなくなってしまったこととで50本は超えないだろうと踏んでいたのだが、終わってみればとりあえずの52本。地元2館をメインに時には遠方のシネコンまで我ながらよく足を運んだも…
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『最後の忠臣蔵』・・・16年後、完結の日

吉良邸討ち入り後に姿を消したとされる寺坂吉右衛門。四十七士の中で唯一切腹を免れたこの人物と、討ち入り前の江戸潜伏中に逐電した数名の中の一人として名が残っている瀬尾孫左衛門。元禄赤穂事件、いわゆる忠臣蔵にかかわりながら生き延びてしまったこの二人のその後を劇的に描いたのが本作である。 長尺がまったく気にならないほどの見応え。生き恥をさ…
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『トロン:レガシー』・・・作品の持つ世界観にようやく映像が追いついた

コンピュータ・システムの内部に創造された世界。人間の姿で存在しているのは皆プログラムたちという奇抜にして壮大なこの概念が、27年前に既に描かれていたことにまず驚かされる。本作が見せる世界観はまさに21世紀を生きる現代人なればこその発想ではないか。 恥ずかしながら前作については断片的な映像の記憶しかないのだが、当時の映像技術ではとても表…
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『GAMER』・・・暗いわ速いわ早いわ騒々しいわ

うーん絶句。 10月以降自分の興味に合致する公開作品が激減する中で、最も楽しみにしていたのが本作だったのに・・・。 この手のSF、バーチャルリアリティをアイデアに用いる作品は本来モロ好みである。『マトリックス』然り、『アバター』然り、最近では『サロゲート』然り。 一口にバーチャルリアリティといってもその切り口は様々で、仮想空間…
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『キス&キル』・・・アクションや世界観は控えめながら

それほど期待していなかったせいもあってか、なんだかんだでかなり面白かった。カップルの一方が実は凄腕の・・・というちょうどつい最近公開された『ナイト&デイ』と同じパターンの作品で、私にはあちらよりかえって面白く感じられた。 ヒロインのジェン(キャサリン・ハイグル)が旅先で出会ったスペンサー(アシュトン・カッチャー)に一目惚れする幕開…
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『SPACE BATTLESHIP ヤマト』・・・波動砲発射シークエンス

第一艦橋や機関室の各クルーたちがコールしながら進んでいく波動砲の発射シークエンス。原作アニメ放映当時小学生だった私はとにかくヤマトが大好きで、特に波動砲の発射シーンには毎回胸を躍らせたものだ。古代や徳川が発する発射までの一連のセリフを真似てのヤマトごっこ、その意味も充てる漢字もよくわからないのに(笑)みんな夢中だったなあ。 そんな…
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『クレイジーズ』・・・水道水から始まる恐怖

蛇口をひねればいくらでも出てくる水。屋外から供されるこのライフラインが、どこを起点とし、どこで浄化され、そしてどういう経路で自分の家まで導かれているのかを把握している人がいったいどれくらいいるだろうか。 水が辿るその長い道筋のどこかで“何か”が混入される可能性はいくらでもあるのに、何の不安も抱かず一切の疑問も持たず、当たり前のように私…
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『ふたたび swing me again』・・・音楽の力

ハンセン病を患ったことでジャズへの夢を一度は断たれたトランペッターが、仲間との約束を果たすべく50年の時を経て憧れのジャズクラブ“ソネ”に帰ってくるまでの物語。 ハンセン病という重いテーマを含みつつも、孫の青年と一緒にかつてのバンドメンバーを順に訪ねていくというロードムービースタイルが実に味わい深く、そのうえ爽やか。中心に描かれる…
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