『パッセンジャーズ』・・・びっくりしたなあ、もう!
飛行機が関係する作品の鑑賞優先度が高い私にとって本作は早くから興味の対象となっていた。“航空事故の生存者にカウンセリングを行なうセラピストが、航空会社の隠蔽工作を暴き、その意外な事故原因に迫っていくサスペンス”・・・・・だとばかり思っていたそんな私にとってまさかのこのオチ!
ラストを待たずにオチが読めてたらシラけただろうが、天性の鈍さのおかげか結末を迎えるまでこのオチにまったく気付かなかったことが幸いして、驚愕の結末とやらをしっかり堪能してしまった。いや~びっくりした。
【なるべくボカしますがネタバレに触れるので鑑賞予定のある方はご注意を!】
事故の生存者から話を聞くセラピストのクレア(アン・ハサウェイ)が、航空会社の発表する事故原因が彼らの証言と食い違うことに疑問を抱き始めるという序盤。空中での爆発はなくパイロットミスが事故原因だという見解を変えようとしない航空会社のアーキン(デヴィッド・モース)。生存者やクレアに付きまとう謎の男。残骸と化した墜落機(たぶんボーイング737NG)の惨状。そして一人また一人と失踪する生存者たち・・・。
これはもう航空会社の隠蔽どころか陰謀の匂いがプンプンするぞ、とそっち方向へ意識が行ってしまった私は、この時点でロドリゴ・ガルシア監督の罠にあっけなくはまったということになるかもしれない。
アーキンや生存者のひとり(として描かれる)エリック(パトリック・ウィルソン)の態度、言動、持ち物(例えばアーキンの手提げケースの形状)などが後で思うにけっこうヒントになっているので、勘のいい人はこのへんでオチに気付くんだろうなあ。空港ロビーでのちょっとした騒動のシーンで、クレアらを取り巻く人たちのどこか妙な雰囲気も今思えば納得である。
さて。このオチで真っ先に思い浮かぶのが、某S監督の出世作にして唯一の成功作と思われる(少なくとも私はそう考える)例の“アレ”。私にとっては、先に劇場鑑賞した身内にネタバレされたというショッキングな記憶の残る作品でもある・・・まあ私事なのでどうでもいいけど(笑)
で、その某S監督の“アレ”の素晴らしさは、終わってみればものすごくシンプルだということ。シンプルゆえに結末でスカーンと足元をすくわれるようなある種の爽快感がある。一発勝負タイプのオチはやはりこうでないといけない。
そういう視点で本作を考えるとどうか。正直ちょっとややこしい印象が残る。アーキンが持っていたある書類にクレアが自分の名前を見つけるシーンこそが最大の見せ場というかネタバラシの瞬間となるのだが、その後に続く、あの人は実はこうだったんだよ、ああだったんだよという捕捉説明的シーンに頼らないとわかりにくい伏線もあるのだ。
まあそれでも、おせっかいな婦人や上司のように振舞う男の正体、エリックが自室の壁に何を描いていたか、そしてなぜ姉にだけどうやっても会えないのか・・・等々細かい部分に注目してみても実によく練られた話だとも思う。
オチについては好き嫌いがあるので評価が極端に分かれる作品かもしれないが、少なくとも私はかなり楽しめた。わかりにくかった部分を確かめる意味でもう一度観たいかも♪
★『パッセンジャーズ』公式サイト
ラストを待たずにオチが読めてたらシラけただろうが、天性の鈍さのおかげか結末を迎えるまでこのオチにまったく気付かなかったことが幸いして、驚愕の結末とやらをしっかり堪能してしまった。いや~びっくりした。
【なるべくボカしますがネタバレに触れるので鑑賞予定のある方はご注意を!】
事故の生存者から話を聞くセラピストのクレア(アン・ハサウェイ)が、航空会社の発表する事故原因が彼らの証言と食い違うことに疑問を抱き始めるという序盤。空中での爆発はなくパイロットミスが事故原因だという見解を変えようとしない航空会社のアーキン(デヴィッド・モース)。生存者やクレアに付きまとう謎の男。残骸と化した墜落機(たぶんボーイング737NG)の惨状。そして一人また一人と失踪する生存者たち・・・。
これはもう航空会社の隠蔽どころか陰謀の匂いがプンプンするぞ、とそっち方向へ意識が行ってしまった私は、この時点でロドリゴ・ガルシア監督の罠にあっけなくはまったということになるかもしれない。
アーキンや生存者のひとり(として描かれる)エリック(パトリック・ウィルソン)の態度、言動、持ち物(例えばアーキンの手提げケースの形状)などが後で思うにけっこうヒントになっているので、勘のいい人はこのへんでオチに気付くんだろうなあ。空港ロビーでのちょっとした騒動のシーンで、クレアらを取り巻く人たちのどこか妙な雰囲気も今思えば納得である。
さて。このオチで真っ先に思い浮かぶのが、某S監督の出世作にして唯一の成功作と思われる(少なくとも私はそう考える)例の“アレ”。私にとっては、先に劇場鑑賞した身内にネタバレされたというショッキングな記憶の残る作品でもある・・・まあ私事なのでどうでもいいけど(笑)
で、その某S監督の“アレ”の素晴らしさは、終わってみればものすごくシンプルだということ。シンプルゆえに結末でスカーンと足元をすくわれるようなある種の爽快感がある。一発勝負タイプのオチはやはりこうでないといけない。
そういう視点で本作を考えるとどうか。正直ちょっとややこしい印象が残る。アーキンが持っていたある書類にクレアが自分の名前を見つけるシーンこそが最大の見せ場というかネタバラシの瞬間となるのだが、その後に続く、あの人は実はこうだったんだよ、ああだったんだよという捕捉説明的シーンに頼らないとわかりにくい伏線もあるのだ。
まあそれでも、おせっかいな婦人や上司のように振舞う男の正体、エリックが自室の壁に何を描いていたか、そしてなぜ姉にだけどうやっても会えないのか・・・等々細かい部分に注目してみても実によく練られた話だとも思う。
オチについては好き嫌いがあるので評価が極端に分かれる作品かもしれないが、少なくとも私はかなり楽しめた。わかりにくかった部分を確かめる意味でもう一度観たいかも♪
★『パッセンジャーズ』公式サイト
この記事へのコメント
私も鈍いので(笑)、ラストにはビックリしました!
それまでの物語の不自然さは、このためだったのねぇ~って。
でも、、、そこに至るまでに少々退屈を感じました。
もう少し興味を引かせていれたら良かったんだけど、、、
SORAさんはかなり楽しめたみたいですね、
それなのにコメありがとうございます♪ ^^
どうもこういうのって想像してた通りだとやっぱり面白さ半減しちゃいます、、、、
アンハサウェイあまり好きじゃないんですが
次回作は楽しみです!(笑)
なので、それなりに面白かったんですけど、自分もいけないのですが かなり寝不足のときにいったので
少々、中だるみを感じてしまいました。。。
それに、おそらく日本人にない死生観が元になっているのでしょうね。そういう意味では理解しがたいのかもしれないのかなあなんて。。
実際・・・あの世に行ききれない?ときに
あんなふうなお迎えが来てくれるといいですよね。
だって、最後にカッコイイ人と・・(違う
おー、鈍い同士これはビックリでしたね~!
不自然さがあのラストのためだったとわかれば納得なんですが、このオチを使う以上いかにその不自然さをなくすかも監督の腕の見せ所だと思います。
そのあたりがたしかにもうひとつでしたよねぇ。
衝撃の結末とかっていう宣伝文句を違った意味に捉えてたんですよ私。正統派サスペンスの大どんでん返しみたいな。そのおかげでまんまとビックリさせられちゃいました~。
アンが主演女優賞にノミネートされた次回作、こっちの彼女のほうがよさそうかな?
おお、亀ちゃんがこれ観るとは思わなんだ~。
中だるみを指摘されてる方が多いみたいです。オチを考えれば登場人物や周囲の状況の不自然さも然りなんですが、そう思わせない工夫があると良かったかもですね。
お迎え次第で救われるってことでしょうかねぇ。でも自分ではそうと気付かない場合もあるようで・・・(あんまり詳しく書けんなあ)
”アノ”作品はおっしゃるようにシンプルな作りですよね。
その分ラストの衝撃が大きかったような気がします。
こちらはやや観客を別の方向に意図的にミスディレクションさせようという意図が感じられ、それがラストを衝撃的に見せたいということだというふうにわかるととたんに興ざめしてしまうというような感じでした。
子の手の話の脚本は構成が難しいですね。
たしかに“あの作品”は、はらやんさん言うところの不誠実さがありませんよね。
だからオチが鮮やかに決まる感じがします。
意表をつかせるためのミスディレクションヘの誘導も含め、どこかスッキリしない後味が残ったことも事実かもしれません。
実は他の方のレビューで
オチを知ってから観ました。
けっこうオチを知ってから観る観方が
好きなんですよ。
シックスセンスやアザーズは
白紙の状態で観て
それこそガツーン!とやられましたが・・・。
だから最初から伏線を確かめながら観れたので
「よく考えて作ってあるなぁ」と感心も。
シックスセンスとは目指すところが
少し違う点もありましたし
この手の作品にしては満足できましたー。
オチをあらかじめ知らないで観たとしても・・・
きっとこのテーマなら
私は好きですね~
ジャンルは違いますが推理系のミステリーなどでは、先に犯行シーンを見せ犯人を特定してから、刑事なり探偵なりの主人公の謎解き過程を楽しませる趣向の作品もありますもんね。
本作もオチを知ってるからこその楽しみもありそうです。
ストレートな「シックスセンス」よりも伏線のあれこれを楽しめる作品でしたね。悪くないと思うんですがねぇ。
WOWOWの放送でやっと観ました。
ご覧になった方々に賛否両論あったけれど、意外に「賛」の方が多かったので、ずっと気になってた作品でした。
思えば、最初っから、どーも妙だなー…な感じはあったのだけど、
最近、罠なら罠に嵌ってしまうことが何やら面白くなってきたので、
あんまりあれこれ考えずに観ることにしました。
すっかり罠に嵌りこむほうが作品を楽しめるんだから、それが幸せよね、と思えるのは、トシのせいかな(笑)
わたし、これ好きです。悪くなかったと思います。
巧妙に仕組まれた罠に見事に嵌ってしまうと、これはもう心地よさすら感じますよね。うん、おっしゃるとおりだと思います。
だからこそ、公開中のディカプリオの作品はヘンな宣伝などせずに見せてほしかったですよね。
私もWOWOW録画しましたので、時間があるときにじっくり観直します!