『劇場版 SPEC ~天~』・・・開けてしまったパンドラの箱
思えばテレビドラマの第1話からハマってしまった『SPEC』。戸田恵梨香と加瀬亮の新境地にグイグイ引き込まれてあっという間の全10話。結局謎だらけじゃないか~!な終わり方だったドラマの続編がついにキタ!(喜)
ちなみに昨日の「王様のブランチ」の中で「テレビドラマのほうを見てなくても単体で楽しめる」と紹介していたが、それはどうだろう。少なくとも先日放送されたスペシャルドラマ『SPEC ~翔~』を見ておかないと付いていけないこと必至。SPECの世界観を存分に楽しむためにもぜひテレビ版を見てからの鑑賞を強くおススメする。
秘密裏に進行するシンプルプランに対抗すべく組織化したスペックホルダーたち。彼らをまとめるのは死んだはずの一十一(ニノマエジュウイチ)だ。当麻の左手が持つスペックによって召喚されない限り存在することがありえないはずの彼が、二人のスペックホルダーを従え“ミショウ(公安第五課未詳事件特別対策係)”に挑んでくるのだ。
公安トップも動く。劇場版でついに“本物”登場となった津田の指揮のもと、ミショウをはじめ内調(CIRO)や自衛隊情報部も参加しての対策本部が立ち上がる。
SITだのCIROだのと私のマニア心をくすぐる組織があれこれ登場するのもうれしい限り。SATじゃなくてSITだもんなあ。なんてマニアックな。対テロ編成ということで陸自特戦群への参加要請もきっとあったに違いない!?
閑話休題。
『TRICK』や『ケイゾク』等々でもおなじみの堤ワールドが本作でも炸裂。いちいち列挙したらキリのない小ネタの数々。セリフの端々から壁のポスターに至るまで、これでもかのネタの応酬である。“ママゾン”だの“冬のソノタ”だのと実在するアレコレのパロディも多数。
監督にかかればキャストも即ネタの元。キルビルは出るわデカレッドは出るわ。そりゃあ栗山千明に載寧龍二だもんねぇ。栗山演じる里子は監督の急な思い付きにより帰国子女という設定になったそうで、珍妙な日本語がこれまた面白かった。そういや伊藤淳史役の伊藤淳史ってのもわかったようなわからんような。
ニノマエのスペックは時間を止めること。
正確に言うと周囲の動きが止まって見えるほどの高速動作ができるという、要するに009島村ジョーの加速装置的スペックである。時間をコントロールできる能力は最強のように思えるが、当麻はそれゆえの致命的な弱点を見出していて、ドラマ最終話同様今回もそこを突いた見事な作戦でニノマエを倒す。つまりスペック発動時に(時間概念で)周囲の何倍もの高速でその場で存在しているニノマエが触れたらヤバイ物を、カウンターメジャーとして戦いの場に当麻は持ち込むのである。
当麻とニノマエが決着をつけるこのシーン、もちろん『SPEC』のお約束ともいえるタイムスライス撮影によって表現されている。CGによるVFXとは明らかに違うリアルな特撮映像の世界は一見の価値あり。
100万人に一人いるとされるスペックホルダー。もしそうなら単純計算で日本には120人ものスペックホルダーがいることになる。そのすべてが悪ではないし、己の特異体質を隠しひっそりと暮らす者もいよう。それでも相当数が瀬文や当麻たちの前に現れることは想像に難くない。パンドラの箱は開いてしまった、いや、皮肉にも警察が、そして他でもない堤監督自身が開けてしまったのだ。
ファティマ第三の予言、御前会議、そしてシンプルプラン。
スペックホルダーを迎え撃つ当麻たちの行く末は謎に満ちている。身近な人物の中にも敵か味方か曖昧な者が相変わらず多い。本作で死んだように描かれた人物たちもその生死はかなりあやしい。
正直テレビドラマを毎週楽しみにしていた時ほどの興奮はなかったが、これはもう乗りかかった船としてその展開その顛末に最後まで付き合うしかないようだ。
野々村からの手紙を読む雅のシーンがオープニングとエンディングに登場する。時は2年後の2014年。オープニングでは手紙の内容に驚かされ、エンディングでは雅の立つ場所の状況に絶句・・・。
2010年のテレビドラマの最終話「癸の回」が“起”となっていて、スペシャルドラマ「~翔~」が“承”、そして本作「~天~」が“転”である。となれば“結”にあたる続編は当然考えられているはず。「~翔~」及び「~天~」でクリアになった謎もある反面、新たな謎も生まれてしまった。瀬文と当麻が思いっきり否定する(笑)“結”ではあるが、これで終わってもらってはファンは困るのだ。
白服の男の正体は? ニノマエのク●ーンは誰が? 潤ちゃんは何者?
野々村の手紙を手に立ち尽くす雅の目の前に広がる驚愕の光景。これはシンプルプラン発動の結果なのか。日本はどうなってしまったのか。その真相が明かされる日を楽しみに待ちたい。
堤監督、「欠」などと言わずに「決」ってことで、マジ頼みます!
ちなみに昨日の「王様のブランチ」の中で「テレビドラマのほうを見てなくても単体で楽しめる」と紹介していたが、それはどうだろう。少なくとも先日放送されたスペシャルドラマ『SPEC ~翔~』を見ておかないと付いていけないこと必至。SPECの世界観を存分に楽しむためにもぜひテレビ版を見てからの鑑賞を強くおススメする。
秘密裏に進行するシンプルプランに対抗すべく組織化したスペックホルダーたち。彼らをまとめるのは死んだはずの一十一(ニノマエジュウイチ)だ。当麻の左手が持つスペックによって召喚されない限り存在することがありえないはずの彼が、二人のスペックホルダーを従え“ミショウ(公安第五課未詳事件特別対策係)”に挑んでくるのだ。
公安トップも動く。劇場版でついに“本物”登場となった津田の指揮のもと、ミショウをはじめ内調(CIRO)や自衛隊情報部も参加しての対策本部が立ち上がる。
SITだのCIROだのと私のマニア心をくすぐる組織があれこれ登場するのもうれしい限り。SATじゃなくてSITだもんなあ。なんてマニアックな。対テロ編成ということで陸自特戦群への参加要請もきっとあったに違いない!?
閑話休題。
『TRICK』や『ケイゾク』等々でもおなじみの堤ワールドが本作でも炸裂。いちいち列挙したらキリのない小ネタの数々。セリフの端々から壁のポスターに至るまで、これでもかのネタの応酬である。“ママゾン”だの“冬のソノタ”だのと実在するアレコレのパロディも多数。
監督にかかればキャストも即ネタの元。キルビルは出るわデカレッドは出るわ。そりゃあ栗山千明に載寧龍二だもんねぇ。栗山演じる里子は監督の急な思い付きにより帰国子女という設定になったそうで、珍妙な日本語がこれまた面白かった。そういや伊藤淳史役の伊藤淳史ってのもわかったようなわからんような。
ニノマエのスペックは時間を止めること。
正確に言うと周囲の動きが止まって見えるほどの高速動作ができるという、要するに009島村ジョーの加速装置的スペックである。時間をコントロールできる能力は最強のように思えるが、当麻はそれゆえの致命的な弱点を見出していて、ドラマ最終話同様今回もそこを突いた見事な作戦でニノマエを倒す。つまりスペック発動時に(時間概念で)周囲の何倍もの高速でその場で存在しているニノマエが触れたらヤバイ物を、カウンターメジャーとして戦いの場に当麻は持ち込むのである。
当麻とニノマエが決着をつけるこのシーン、もちろん『SPEC』のお約束ともいえるタイムスライス撮影によって表現されている。CGによるVFXとは明らかに違うリアルな特撮映像の世界は一見の価値あり。
100万人に一人いるとされるスペックホルダー。もしそうなら単純計算で日本には120人ものスペックホルダーがいることになる。そのすべてが悪ではないし、己の特異体質を隠しひっそりと暮らす者もいよう。それでも相当数が瀬文や当麻たちの前に現れることは想像に難くない。パンドラの箱は開いてしまった、いや、皮肉にも警察が、そして他でもない堤監督自身が開けてしまったのだ。
ファティマ第三の予言、御前会議、そしてシンプルプラン。
スペックホルダーを迎え撃つ当麻たちの行く末は謎に満ちている。身近な人物の中にも敵か味方か曖昧な者が相変わらず多い。本作で死んだように描かれた人物たちもその生死はかなりあやしい。
正直テレビドラマを毎週楽しみにしていた時ほどの興奮はなかったが、これはもう乗りかかった船としてその展開その顛末に最後まで付き合うしかないようだ。
野々村からの手紙を読む雅のシーンがオープニングとエンディングに登場する。時は2年後の2014年。オープニングでは手紙の内容に驚かされ、エンディングでは雅の立つ場所の状況に絶句・・・。
2010年のテレビドラマの最終話「癸の回」が“起”となっていて、スペシャルドラマ「~翔~」が“承”、そして本作「~天~」が“転”である。となれば“結”にあたる続編は当然考えられているはず。「~翔~」及び「~天~」でクリアになった謎もある反面、新たな謎も生まれてしまった。瀬文と当麻が思いっきり否定する(笑)“結”ではあるが、これで終わってもらってはファンは困るのだ。
白服の男の正体は? ニノマエのク●ーンは誰が? 潤ちゃんは何者?
野々村の手紙を手に立ち尽くす雅の目の前に広がる驚愕の光景。これはシンプルプラン発動の結果なのか。日本はどうなってしまったのか。その真相が明かされる日を楽しみに待ちたい。
堤監督、「欠」などと言わずに「決」ってことで、マジ頼みます!
この記事へのコメント
明らかにファン向けの作品だと思いました。
数多くの謎を残し、衝撃的なラストになり…
こうなると、早く“欠”が観たいところです。
ヒット次第で製作されるのでしょうけど、
結構良い成績が残せそうなので、期待して待ちたいと思います。
ファン向けに徹したマニアックな一本ってことでいいでしょうね。逆に置いてけぼりを食らった人も興味は感じるはずですから、改めてドラマ版DVDなりの需要が高まるかもしれません。
ずいぶんと壮大な風呂敷を広げたラスト。“欠”ありきの終わり方ですから期待しましょう!
あの毎週のワクワクを期待しすぎたか、わたしの中で今回の映画はちょっと失速だったんですよね
思うに、スペックにのめった要素は二人の掛け合い、小ネタ、謎、と
複数の要素があるのですが、私が一番魅力に感じていたのは謎で、
ドラマのスペックの謎(とうまの能力発動?ニノマエの生死?津田と組織の関係?)は、ほぼ翔でとけちゃってて
天の展開に目新しいものがなかったのです
わたしの中の収穫はジョジョの奇妙な冒険の単行本とゲームが出てきたところでしょうか^^
最後にまた謎が提示されたので、次回つくってくれたら…
どうでしょう、期待ですね
出張中で自分のブログにログインできなくて、後ほどTB送らせてくださいませ
最大の謎は当麻の左手であり、ニノマエや津田の正体でしたから、なるほどたしかに「~翔~」でネタバラシはほぼ済んじゃいましたもんね。せめて当麻のスペック明かすのくらいは「~天~」まで引っ張ってほしかったよね。
浅野&伊藤のスペックホルダーをゲストに迎え、ちょっと大きな風呂敷なんぞ広げたうえでの、当麻とニノマエの決着話・・・それが「~天~」ってとこですかね~。
そうそう、あちこち覗かせてもらって私置いてけぼりなのが「ジョジョ」ってやつです。メジャーなネタなの???
最後になりましたが、お仕事お疲れ様っす!
能力が似ているくらいなら、似た能力や発想になるときもあるし、最初はスペックを観て少しニヤニヤしているだけだったのですが、この「ジョジョの奇妙な冒険」(少年ジャンプ連載)全100巻を超える漫画本でして、スペックホルダーの能力がほぼ出てきます
それでもこういった話は能力が似たり寄ったりになりますから、あからさまにオマージュだと確信していたわけではないの
しかし、ニノマエの首の後ろに★のあざが出たあたりからと、今回の映画で伊藤あつしとニノマエがリビング(のようなところで)話すシーンがありましたよね?
そのテーブルに元ネタと思われるジョジョの奇妙な冒険の単行本とゲームを乗せていたことからカンペキにオマージュではないかと
裏話等は入手していないので、実際制作側がそういう話をされたかどうかは不明です
どこかに出ていて既に有名な話かもしれません
わたしはwikiも見てないです
だから作品から感じただけです
ちなみに、ジョジョは結構有名だと思います
今後、実写で映像化するらしいですよ(テレビなのか映画なのかは存じてません)ジャニーズの松本潤さん主演だそうです
これからもしかしたら映像で見かける機会があるかもですね
わたしはなんだかんだで多分みにいくです^^
加瀬君目当てで見始めて、2人の掛け合いとのんびり係長(実は凄腕?)に、すっかり嵌り、毎回美味しい時間を「いただいた」ドラマ、当麻の希望を裏切って(爆)、見ている側の期待に応えてくれた今回の映画化。
ドラマ「翔」で当麻の手の謎が解けたりと、しっかり作ってあったのでうきうきしながら劇場へ行きました。
栗山千明ちゃんの奇妙な日本語、面白かったですね(^^)。
新旧の小ネタも満載でしたね♪。
小ネタを突っ込む当麻と瀬文のやりとりもまた絶品でした!。
雅ちゃん、、、埋まってる国○議○堂の横に立っていましたね。一体何があったのでしょう?。
私も、ニノマエのクローン作った人や白い服の男の子、潤ちゃん気になります。
同じく、「欠」でもいいから、「結」ってちょーだい!。です。ミイラにはなりたくないけど、最後まで乗船希望☆。
当麻と瀬文が思いっきり否定しているからには、きっと締めくくってくれるはず。
そう。「真実」を「疑う」のでありま~す♪。
「ジョジョの奇妙な冒険」、ジャンプ連載のマンガでしたか。少年誌はまったく読まないもので・・・。情報提供ありがとうございました。
なるほど、だからジョジョを知る人たちはみんな“これは!?”って思ったんですね。そこまで合致するのならきっと意識をした作品なのでしょう。
やはりドラマにハマった人はその後を見届けたくなるに決まってますよね。私も「翔」と「天」を待ちわびた一人です。
思えば最初に当麻を見たときは引きましたよ~。髪はぼさぼさ左手は吊ったままで餃子食いながら箸で本のページをめくる女ですもんねえ。しかもそれが戸田恵梨香っていうところですでに目がテン(笑)
「翔」でそれまでの謎を一通り解いてみせたかと思ったら、「天」ではより壮大な謎を残してしまいましたね。あの荒廃した首都の光景、何が起こったのか気になる気になる~。
正直劇場版というカタチにはまったくこだわってないので、テレビの2時間スペシャルでもいいから早く「結」んでほしいと思います。
おーなるほど。『真実を疑え』とさんざんコピーで言われちゃってたわけですからねぇ。ヤツらが「出ない」「やらない」と言ってる限り、締めくくりの一本はきっと世に放たれることでしょう。