『プレデターズ』・・・舞台は未知の惑星へ

シリーズ最新作は続編ではなく1作目『プレデター』のリメイクといったほうがしっくり来るように感じた。その舞台こそ未知の惑星となっているが、戦闘のプロたちがジャングルでプレデターと死闘を繰り広げる展開はまさしく同じ筋書き。ここはひとつ1作目との比較も楽しみたいところである。

1作目ではシュワルツェネッガー率いる精鋭コマンド部隊がヘリからのリペリング降下による鮮やかな現地入りを見せたのに対し、本作では何者かに拉致され気付いたときは空から落下中だったという素性の怪しい面々がパラシュートで降りてくるところから始まる。

知略に長けた傭兵上がり、CIA所属の元イスラエル軍スナイパー、チェチェンで戦闘中だったスペツナズ、RUFのメンバー・・・とここまではいわゆる兵士であるが残りは囚人や日本のヤクザなど早い話が各分野の殺しのプロで、やがて彼らはここが何者かの狩場であること、そして他ならぬ自分たちが“獲物”として放たれたことを悟る。

統制の取れた軍隊ではない寄せ集め集団という部隊(?)編成は、各キャラの個性が立ちやすいだけでなく何気にドラマを面白くもしていた。もっともこの手の話ではメンバーが一人ずつ死んでいくのが定めであり、早期に死んでいくメンバーが皆もったいない。最初の犠牲者などもう少し生き残ってくれたほうが話も膨らんだだろうに。

劇中“兵士組”の経験談や実行動によって一貫して語られる戦術がある。
それは“敵部隊の一人に傷を負わせて動きを止める。その傷は致命傷であってはならない”というもの。傷付いた仲間を置き去りにはできないが連れて行くには足手まといというジレンマを巧みに突く戦術で、仮にその負傷者救出を強行する者がいた場合は負傷者ではなく彼を狙い撃ちするというゲリラ戦において有効な嫌らしい戦術でもある。

助かる仲間を置き去りにするか、肩を貸してでも連れて行くか、もしくは“楽にしてやる”か。

戦場の兵士は時にどれかを選ばねばならない状況に置かれる。紅一点のイザベルはこのことで過去にトラウマを負っていて、それが終盤への伏線となっていく一連の流れはなかなか興味深かった。

AVPの2作を観ていないのでシリーズ全般を語るわけにはいかないが、少なくとも『プレデター』と『プレデター2』に関して言うなら、漂うB級感こそが最大の魅力であろう。そして本作もまたいい意味で両作の持つB級感を踏襲しており、終わりのような続きがありそうなどっちつかずのエンディングも含めまずまず楽しめた。
ただし、いわゆる光学迷彩とサーモグラフィ。プレデターに欠かせないこの二つの技術に戦士たちがどう挑んでいくか。見所でもあるこうした部分にもう一工夫ないとさすがに今後は苦しいような気もする。もし続編があるのならそのあたりをとことん練り直してほしいものだ。身体に泥を塗って赤外線放出を抑えたシュワ、周囲に火を放ってかく乱したブロディ。さてお次は?

ところで・・・。
元傭兵、美人スナイパー、元空挺隊員、CIA、スペツナズ、ゲリラ戦、ブービートラップ・・・。これってまるで工藤かずや/浦沢直樹の『パイナップルARMY』の世界観だよなあ。いや本作には関係ないんだけど。

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