『バイオハザードIV アフターライフ』・・・再び近づいた映画版とゲーム版

いや~驚いた!
3作目『バイオハザードIII』で完全にゲーム版バイオから遠ざかってしまったシリーズが一転、本作はゲーム版の『コード:ベロニカ』と『バイオハザード5』をかなり意識しての製作とみた。ゲーム版バイオハザードシリーズの熱狂的ファンである私(『4』のみ未プレイ)はもう大満足。登場するアンデッドはもはやゾンビではなくゲーム版『5』のマジニそのもので、処刑マジニや犬のアジュレまで出てくるとは!

思えば前々作『バイオハザードII アポカリプス』で、市警特殊部隊S.T.A.R.S.やその隊員であるジル・バレンタイン(シエンナ・ギロリー)、さらに敵キャラとしてネメシスなどゲーム版と絶妙にリンクした世界観を見せてくれた映画版バイオ。残念ながら『III』ではジルはなぜか登場せず(これについては後述)、代わりにゲームからのキャラとしてクレア・レッドフィールド(アリ・ラーター)が登場したものの同じなのは名前のみといった感じで・・・(泣)

それが本作では、ゲーム版シリーズでの一貫した主人公といってもいいクリス・レッドフィールド登場!
『III』でクレアが登場し、ラストの東京のシーンでアルバート・ウェスカーが登場したことを考えれば、(ゲームに沿うのであれば)本作『IV』でクリスが出てくるのは必然だったのである。
真っ白な部屋の中、サングラスを投げ捨て赤い眼を光らせるウェスカーに挑むクリスという状況は、まるでゲーム版『コード:ベロニカ』でのワンシーンのようだった(サングラス投げは『5』)。
そういえばゲームシリーズでクリスとクレアの兄妹が揃って登場するのも『コード:ベロニカ』が唯一なのだ。

ゲーム版では現在の『5』に至る過程でアンブレラ社はすでに消滅し、話の肝である生物災害もウイルス感染から寄生生物へと切り替わっているのだが、映画のほうはアンブレラのT-ウイルスによって起こっている生物災害という設定を継続しているので多少の違和感は否めない。しかしまあT-ウイルス適合体のアリスという映画オリジナルのキャラが主人公なので、ここはケチをつけるところではないだろう。
むしろ主人公がミラ演じるアリスであることが、ゲーム版と自由自在にリンクさせられる余裕のようなものになっているのかもしれない。


映画第2作『アポカリプス』のラストでアリスを奪還したジルたちのその後が曖昧になっていたことが記憶にあり、さらにゲーム版『5』をプレイしたことのある方なら、エンドロール半ばに挿入されるシーンに釘付けとなること請け合いだ。

シエンナのジルが『IV』に出るなんて聞いてなかったぞ~!
(単に私の情報収集能力の無さなんだけど)

タイトな黒スーツに身を包み、ブロンドの髪を後ろで束ねた美人のアンブレラ指揮官。胸には怪しく光る赤いデバイス・・・。こ、この出で立ちは、ゲーム版『5』のあの・・・。

うわ~まいった、恐れ入った! 
ポール・W・S・アンダーソンよ、ジル・バレンタインを使って映画とゲームをここでつなげるか!!


というわけで本作は、ゲーム版バイオのファンにとっては『アポカリプス』以来のうれしい内容となっている。ただし、ゲームびいきから離れて映画ファンとして見た場合、怖さや派手さがシリーズ中で一番地味だったのは残念。
1作目は閉ざされた地下空間という緊迫感。2作目は夜の街を舞台にした恐怖感。3作目は砂漠化した大地をゆくコンボイの迫力感。そういう見所見応えがそれぞれにあった。では本作はというと、どうもパッとしない。

“アルカディア”に関する謎解きも盛り上がらないし、刑務所からの脱出で誰もが期待したであろう装輪装甲車は全く出番ないし、仲間が一人ずつやられていくというお約束もなんだかみんなあっさりとあっけないし。
そもそもアンデッド=ゾンビというのがバイオハザードの暗黙の決まりごとだとすると、本作でのマジニはちょっと異様過ぎるのではないか。ウェスカーのキャラクターももう少し説明があったほうがいいだろう。

まあそれでもゲームを原作とした作品ながら4作目まで続いているのはたいしたものだ。繰り返しになるが、ゲームの世界観や登場人物を適度なバランスで織り交ぜながらも主役は完全オリジナルというスタイルが成功の秘訣なのだろう。
また本作が3Dカメラ撮影による真の3D作品であることも評価したい。似非3D映画に嫌気が差していた今日この頃、『アバター』以来久々の(二度目の)実写3D鑑賞となった。処刑マジニが振り回す斧(状のギロチン)の恐ろしさは是が非でも3Dで堪能すべきである(笑)


雨降る渋谷のスクランブルに立ち尽くす中島美嘉というあまりに印象的なオープニングと、そしてシエンナ・ギロリー演じるジル・バレンタインの姿に映画ファンとして、またゲームファンとして様々な思いが交錯したエンディングと。
この始まりと終わりの劇的なインパクトにすっかりやられた作品でもあった。

ジル・バレンタイン、クレア・レッドフィールド、クリス・レッドフィールド。
ゲーム版で交互に主役を張ってきた3者が映画4作目にしてついに出揃った。彼らには映画版の主役アリスを食ってしまいそうな勢いすらある。
・・・こりゃあ続編は確実だな。


☆バイオハザード関連過去記事
 『バイオハザードIII』・・・またゲーム版から離れたか 07/11/25
 『バイオハザード ディジェネレーション』・・・バイオの原点を存分に堪能! 08/10/28

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