『アジャストメント』・・・運命を決めるのは誰

人の運命を操作する謎の組織“運命調整局”と、自分の運命を守るためにひとり立ち向かう若き政治家。そんなSF仕立ての熱いサスペンスに重きを置く作品だと思っていたら、そっちのほうは良くも悪くも適当な味付けで、要は困難に打ち勝って結ばれる男女の姿を描くラブストーリーだった。

もちろんSF設定が話を面白くしているのは確かであるが、主役をもう少し若く設定すれば少年ドラマシリーズ(古っ!)での眉村卓作品のノリとそう変わらないので、これはもう肩肘張らず理系思考も働かさずに、引き裂かれても引き裂かれてもなお惹かれ合う恋人たちを応援する気持ちで鑑賞するのが正解かもしれない。

それにしてもマットはスーツ姿で街を走るのが似合う俳優である。上院議員候補は少々苦しいようにも見えたが、それでも『ヒアアフター』の役どころよりは断然いい。それから私、本作で初めてエミリー・ブラントを可愛いと思った♪


最終的には調整局も惹かれ合う二人の強い意思には逆らえず事実上任務を放棄。ラブストーリーとしてはハッピーエンドでめでたしめでたし・・・・・なのだが、その未来を思うとこの話は解釈次第でなかなかブラックでもある。

そもそも調整局なる組織が人の運命に執拗に介入する目的がいまひとつはっきり描かれないのが歯がゆいところで、その精悍でミステリアスな風貌や物言いとは裏腹に実際の行動がコメディかと思わせるくらいあまりにお粗末なため、彼らが世界の破滅を防ぐなど地球規模での運命操作をつかさどっている組織なのか、それとも単に恋愛事情など庶民の生活を程よくコントロールしているだけなのかがよくわからない。
つまり気になるのは、大統領になるならないの話を出したのはそれが真の目的だったのか、あるいは二人を別れさせるための方便に過ぎなかったのかということ。

仮に前者に調整局の本意があったのだとすると、ここで彼らが手を引いたことでデヴィッドは合衆国大統領にならないわけで、彼がなんとしても大統領にならなければならない理由はなんだったのかを考えると・・・ほら、やっぱり恐ろしい。
もっとも観ようによっては、「大統領になる未来は人になんか決めさせない。俺がこの手で切り拓いてやるぜぃ!」っていうえらく健全なメッセージが込められているようでもあるけれど。


・・・まあ難しい話は措いといて、大事なのはこの一点。
手にしたコーヒーをなぜか突然こぼしたりしたときには、周囲に運命の女性がいる可能性が高いということだ。これ、頭に入れとこう(笑)



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